【EPAコラム】 繊維製品の原産地規則(2)

「原産地規則」は貨物の原産地(物品の「国籍」)を決定するためのルールのことですね。
EPAを適用するためには、「協定国の原産品であること」が不可欠ですので、貨物が原産地規則を満たしているか否かの判断がとても重要です。
 
前回に引き続き、繊維製品の原産地規則について、少しご紹介します。
今回は日EU・EPAの繊維製品についてです。TPP11との違いも意識しましょう。

日EU・EPAにおいて、繊維製品では主に「加工工程基準」が採用されています。
満たすべき基準は品目別規則(PSR)で定められています。
他方、繊維そのものについては、原則として「関税分類変更基準」が採用されています。

日EU・EPAにおける「加工工程基準」の基本的な考え方は、
① 原料から糸にする工程「紡ぐ」 
② 糸から生地にする工程「織る/編む」
③ 記事から衣類等にする工程「裁断・縫製」
の工程のうち2つ以上の工程を原則として、日本もしくはEU域内において行うことが求められる、「二工程ルール」が採用されています。

糸や生地の「染色」や「刺繍」は「二工程」のうち、「一工程」とカウントされる規定があります。
繊維製品も種々ありますので、各品目のPSRを確認しましょう。

ところで、EUを離脱した英国との関係はどうなるのでしょうか。
日EU・EPAの効力は英国には及びませんが、日英EPAの規定により、日英間の貿易においては、EU域内の原産品および生産行為を日英のものとみなす「拡張累積」の規定が採用されています。

つまり、日本から英国に繊維製品を輸出する際、EU域内で編まれたニット生地を輸入し、裁断・縫製してセーターを仕立てた場合、
「二工程ルール」を満たしていることになります(日英EPAにおいても、「二工程ルール」が採用されています)。

他方、日本からEUに繊維製品を輸出する際、英国原産の生地で洋服を仕立てても、裁断・縫製の1つの工程しか行っていないものとして、
「二工程ルール」を満たしていないことになります。

当たり前といえば、当たり前のことですが、混同せずに、整理して覚えておきましょう。

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